Bunkamuraオーチャードホール ウェンディ&ピーターパン 観劇記録2

8/28土曜日、マチネ 1階11列30番
ちょうどいい距離感
でも3階席から幻想的に見えた舞台は映像を映し出しているだけだということがわかって、ちょっとびっくり
でも舞台の内容が2階目だということもあってすごく複雑で深かったのだと気がついた。
2回目行ってよかったと本当に思った

新国立劇場で観た古田新太フックのホリプロミュージカルピーターパンの本当の意味を知った気分


明るく楽しい世界とは真逆。

ピーターパンが中島裕翔でなければ分からなかった。フックが堤真一で、ワニが宮河愛一郎でなければならなかった理由がわかった。
3人はその見た目が同系統
背が高く手足が細く長く面長で鼻が高いハンサム
原作に「上品でハンサム (handsome countenance)貴族のような雰囲気が漂っていて、どこかしら優雅、気品のある物腰、手下とは違う階級」
とある。裕翔くんじゃん、、


ピーターパン(と言うか中島裕翔)はフック船長になる前の姿でフック船長は自分の過去の姿を重ねていたのかも

彫刻のように完璧な裕翔くんの顔とスタイルは
永遠のピーターパンの二重写しになっている。
崩れてしまうかもしれない未来から堤真一が見つめていて、ワニが見ている


「永遠の子供の時間」「残りが少なくなる大人の時間」「無情にカウントダウンする時計」が近づき重なる


今回見えたこと

ピーターパンの表情

雷鳴と共に登場シーン感情が感じられない表情

雷鳴が響くたびに、トムの枕元、
ウェンディの枕元に映し出される表情

トムを連れ去るときの表情は感情というより「ピーターパンの役目」を遂行していることがわかる。シャドウと共に粉を吹くピーターパン。粉を撒き慣れてる裕翔(いや、ピーターパン)その肢体が長い手足が優雅に舞う。幻想的。

シャドウの人たちがずっと素晴らしい動きをして、黒子としてのフライングの演出だけじゃなく演者の心情を舞台いっぱいに広げてくれるのだと気づいた。(終演後にね)
ーーシャドウさんへのツイートーー
昨日、観劇させて戴きました
「裕翔くんの繊細な表情変化が素晴らしかったな」と
思い出しているうちに
「シャドウ達が舞台にピーターパンの感情を波のように広げ深く満たしてる」と気がつきました
見え隠れするピーターパンの複雑な人格が
複数のシャドウを生み出したんじゃないかと、、
また観たい!
ーー

役目を終えた帰り間際、ウェンディの顔を覗いた瞬間に初めて柔らかな表情になり
感情があるピーターパンが現れる。ふわっとした笑顔。惹きつけられる。

ピーターパンは嘘をつくのではなく
本当のことを言わない。
少しずつ「本当」を隠す。
寂しさや悲しさ苦しさを隠すために「遊ぼう」と言い「戦おう」と言う
その複雑な感情


ずっと子供のピーターパンなのかと思っていた

(「♾ヨコは永遠のピーターパンやな」「裕翔くんピーターパンみたい!」と気楽に使ってた時は、明るいワガママ子供だけのイメージだから。)


ずっと子供のままでいたいピーターパン
ずっと子供でいなければいけないピーターパン
大人になることの恐怖と拒否感は絶対で
ウエンディに恋して、大人になりそうな自分を隠すために
「遊ぼう」と言い「戦おう」と言い「ごっこ」と言い、「面白い?」と聞く

 

ワニ🐊
ゴシックでスタイリッシュでかっこよくて怖いワニ
トムのお医者さん時計が響いて、初めて2役だと気づいた。
トムを診断し、もうダメですと告げる役は
命の終わりをカウントする
フックの後ろをずっとチクタクと音を立てて追い詰めるワニ
あゝ命の終わりを告げ、追い詰める存在だったのか


原作が怖くて読みきれなかった私は、この舞台で初めて知り
ものすごく納得した

若さが欲しいのではなく
有り余る時間が、時間があることにも気がつかないピーターパンの時間が欲しかったフック
ピーターパンを殺すために追いかけていた時間が
なんて無駄だったのだろうと気がつき
でもピーターパンを追いかけなくなった時の自分が見えなくなって、
ピーターパンとの戦いながらふっと
諦め?サヨナラ?楽になりたい?
ピーターパンに向けて微笑を浮かべ、そのまま


自らワニのいる🐊海に落ちていったフック
それを目の前で見たピーターパンは、驚きと、動揺と、疑問で混乱に陥っている。


ピーターパンを殺したと純粋に喜んでいた時に、複雑な顔をして佇んでいたマストの下で、
フックを海賊を🏴‍☠️殺したと純粋に喜んでいるロストボーイたちの、マイケルとジョージの兄弟の後ろで、疑問でいっぱいになっているピーターパン。


ピーターパンがウェンディたちが帰って行くときの表情が号泣もの

良いことなんだ、素晴らしいことなんだ、寂しい、悲しい、でも良いこと、素晴らしいこと、でも行かないで。でもサヨウナラ、、
微妙だけど自分の本当を隠して、わからないふりをして、子供を続けるピーターパンの複雑な心情がわざとらしくなくどこか「がんばれ」「どうしたいの」「本当にいいの」とこちらの心も乱す。
解決策なんて見つからず、何も聞かずに抱きしめてあげるしか手立てがないと

思わせるような表情だった。。泣く

 

ラスト、窓の外のピーターパンの表情
それは、すごく無に近い表情でビックリした。でも何かを探している表情にも見えた
なぜ探しているのかも忘れてしまったピーターパンの表情なのか。。逆に心えぐられる。

ずっと悲しみを遊びで蓋をするのかあなたは、、


ピーターパンは気楽でわがままな存在だと思っていたのに
裕翔くんのピーターパンが堤真一のフック船長が、私の世界を変えてくれた

ナイモノネダリが聴きたくなった。

ナイモノネダリのピーターパンに結末は無く、

永遠の時間を苦しいことも素敵なことも忘れることで紡いでいく

 

裕翔くんの剣先またみつめてしまった(と言うかちょっと確認作業)

良かった、、やっぱり優雅に揺らめいている。

「私をその艶かしい剣先で斬って〜❣️」と馬鹿みたいに魅入られてた

30代〜40代の古田新太のような殺陣が裕翔くんで見られる!

劇団☆新感線の舞台で色んな人が剣を振るってるけど、その艶かしさは古田新太の足元にも及ばない(あ、生田くんは見逃してますので不明です)。今や古田新太さんもチクタク側だし、、

 

修二と彰の真ん中で「凄く優雅だな?バレエ習ってる子なのかな?」と気になっていた裕翔くんが大人になってさらに優雅さと色気に磨きをかけて(fabのフックは、18禁w)

また、新しい世界を見せてくれる未来に絶対の確信を持った。

 

ウエンディ&ピーターパン
ではなく
ピーターパン&フック&🐊
の感想でした。(テヘペr